AIがPCに深く統合。Copilot+ パソコンで劇的に変わる働き方と創造性。

突然ですが、皆さんは「コパイロットプラスPC(Copilot+ PC)」ってご存知ですか?

正直に言うと、私も最近まで全く知りませんでした。「コパイロットプラスPC? 何それ? 読み方合ってる?」最初はそんな感じでした(笑)。

それが、ひょんなことからマンションの自治会役員になり、役員活動で使うパソコンを新調しようと色々調べているうちに、この聞き慣れない言葉にたどり着いたんです。自治会役員という、ごく日常的な役割が、まさか最新のAIパソコンの世界への入り口になるとは、思いもしませんでした。

でも、調べていくうちに、これがどうやらこれからのパソコンの常識を根底から変えるかもしれない、とんでもなくすごいものらしいと分かってきたんです。

今日は、自治会役員という立場から始まった私のPC選びの旅で出会った、この「コパイロットプラスPC」について、皆さんに分かりやすくお話ししたいと思います。そして、私が実際に直面したちょっとした「壁」や「落とし穴」と、そこから見えてきたことについても、正直にお伝えできればと思います。

目次

コパイロットプラスPCって、結局何がすごいの?AIがあなたの「相棒」になる未来

まず、コパイロットプラスPCとは何か、ですよね。

簡単に言うと、これは「AIを搭載することで、私たちのパソコン作業を劇的にラクにしてくれるようにゼロから設計された、新しいWindows PC」のことです。

Microsoftはこれを「AIの力を最大限に引き出すための新しいパソコンの形」と呼んでいます。パソコンの心臓部である半導体(シリコン)から、OS、普段使うアプリ、そしてインターネットの向こう側にあるクラウドまで、全てがAIを中心に考え直されているというから驚きです。

その目的はただ一つ。「私たちの生産性を劇的に上げ、新しいアイデアを生み出しやすくし、欲しい情報にすぐアクセスできて、面倒な単純作業はパソコンに任せられるようにする」こと。

つまり、「AIが、あなたのパソコン作業の強力な相棒になってくれる」。それがコパイロットプラスPCなんです。まるで、あなたの隣に優秀なアシスタントが座って、サクサクと仕事を片付けてくれるようなイメージでしょうか。

「AI相棒」を迎えるための特別な条件:NPUって何?

じゃあ、どんなパソコンなら「AI相棒」を迎えられるの?と思いますよね。全ての最新PCがコパイロットプラスPCになるわけではありません。

コパイロットプラスPCになるには、いくつかの特別な条件があります。一番の特徴は、「NPU(Neural Processing Unit)」という特別な部品が必要なこと。これは、AIの計算をものすごく速く得意にこなすための、いわば「AI専用の脳みそ」みたいなものです。このNPUが、1秒間に40兆回以上という、想像もつかない速さで計算できることが基準になっています。

もちろん、それだけじゃありません。AIが大量の情報を扱うために、

  • メモリ: 16GB以上(たくさんの情報を一度に扱える容量)
  • ストレージ: 256GB以上のSSD(データを素早く出し入れできる場所)

これらのハイスペックな条件を満たした、いわば「AI時代の最新高性能パソコン」が、コパイロットプラスPCとして登場してくるわけです。

いつものAI(ChatGPTなど)と何が違うの?最大のメリットは「安心感」

「でも、今のパソコンでもChatGPTとか使えるじゃん?」そう思われた方もいるでしょう。その通りです。では、コパイロットプラスPCのAIは何が違うんでしょうか?

これまでのChatGPTのようなAIは、使うときに必ずインターネットにつながっている必要がありました。質問やお願いをインターネットの向こうにある大きなコンピューター(サーバー)に送って、そこで計算してもらい、答えを受け取る、という仕組みだからです。

でも、コパイロットプラスPCは違います。パソコンの中に、ChatGPTのようなAIの一部が「内蔵」されているイメージです。全てではありませんが、一部のAI処理を、インターネットを使わずにパソコンの中で完結させることができるんです。

これが何が良いかというと、一番は「圧倒的な安心感」です。

インターネット経由のAIだと、入力した情報が外部のシステムを通るため、「個人情報や会社の機密情報を入力するのはちょっと怖いな…」「情報がAIの学習に使われる可能性は?」と感じたことはありませんか?

コパイロットプラスPCなら、パソコンの中で処理が終わるAI機能については、外部に情報が漏れる心配がほとんどありません。だから、機密情報なども気にせず、より安心してAIに手伝ってもらえるという、これまでのAIにはなかった大きなメリットがあるんです。これは、ビジネスで機密情報を扱う方や、プライベートなデータを安全に管理したい方にとって、非常に重要なポイントです。

これは技術的には「SLM(Small Language Model)」と呼ばれる、パソコンの中で動く小さなAIモデルのおかげ。インターネット上の大きなAI(LLM)とは、情報の扱い方が根本的に違うんですね。

これから使えるようになる!未来を感じさせる注目のAI機能

コパイロットプラスPCには、この「AI相棒」がいるからこそできる、いくつかの新しい機能が搭載される予定です。まだ私自身は試せていないのですが、説明を聞いて「これはすごい!」「未来が来た!」と思った機能を紹介します。

  • リコール (Recall):
    「あれ? あの時見た資料、どこにあったっけ?」「あのウェブサイト、どんな内容だったかな?」…こんな経験、ありますよね? リコールは、過去にパソコンで見たもの(ファイル、ウェブページ、アプリの操作など)をAIが覚えていてくれて、曖昧な記憶でも検索して探し出してくれる機能です。まるで自分の記憶を検索するみたい! これは本当に便利になりそうです。(※現在プレビュー版で、一般提供はもう少し先とのこと)
  • コクリエイター (Cocreator):
    絵を描くのが苦手でも大丈夫! ペイントアプリに搭載されるこの機能は、簡単な手書きの絵と「こんな感じにしたい」という言葉を組み合わせるだけで、AIがプロ顔負けのイラストや画像を生成してくれます。プレゼン資料にぴったりのイラストが、自分で簡単に作れるようになるなんて、ワクワクしませんか?
  • ライブキャプション (Live Captions):
    これは特に感動しました! パソコンから流れるあらゆる音声を、リアルタイムで翻訳して画面に字幕表示してくれる機能です。今は英語への翻訳のみ対応のようですが、今後対応言語が増えれば、海外の方とのオンライン会議や、外国語の動画視聴が格段に楽になります。「言葉の壁」がどんどん低くなるのを感じます。
  • 自動スーパー解像度 (Automatic Super Resolution):
    ゲームなどの映像をAIが自動で高解像度化してくれる機能です。よりクリアで滑らかな映像でゲームを楽しめるようになるかもしれません。

私がPC選びで直面した「壁」:ARM版か、それともX86/64版か?

さて、ここからが、私が自治会役員用のPC選びで実際に悩んだ、ちょっと個人的な話です。これが、コパイロットプラスPC購入を検討する上での、多くの人が直面するであろう「壁」だと感じています。

実は、今のWindows PCには、大きく分けて2種類の「心臓部(CPU)」のタイプがあるんです。

  1. X86/64版: IntelやAMDといった、皆さんがこれまで「パソコンのCPU」として知っていたメーカーのものです。今、世の中にあるほとんどのWindows PCがこれです。
  2. ARM版: 元々スマートフォンなどで使われていた、Qualcomm Snapdragonというメーカーのものです。最近になって、このARM版を搭載したWindows PCが増えてきました。

そして、このコパイロットプラスPCにも、このARM版(Snapdragon搭載)が増えているんです。これが、私のPC選びを複雑にしました。

なぜかというと、X86/64版のパソコンで動くアプリと、ARM版のパソコンで動くアプリは、そのままでは互換性がないからです。ARM版Windowsは、X86/64版のアプリを動かすための「翻訳プログラム」のようなもの(エミュレーション)を用意してくれています。でも、残念ながら全てのアプリがスムーズに動くわけではないんです。今まで当たり前に使っていたアプリが、新しいパソコンでは動かないかもしれない…自治会活動で使う特定のソフトが動かなかったら困るな…そんな不安が現実的な問題として出てきました。

もし将来的にARM版が主流になって、全てのアプリが対応すれば問題ないでしょう。でも、今の時点では、X86/64版の方が圧倒的に多くのアプリに対応しています

だから、「今まで使っていたアプリを、新しいパソコンでも安心して使いたい!」と思うと、IntelやAMDのCPUを搭載したX86/64版のコパイロットプラスPCを選ぶのが無難かな…と感じました。

でも、そうすると、価格がぐっと上がってしまうんです。X86/64版のコパイロットプラスPCは、だいたい20万円以上することが多いようです。

一方、Snapdragon搭載のARM版コパイロットプラスPCは、12万円~15万円くらいから手に入ります。「安くて高性能」という点は、本当に魅力的です。特にバッテリー持ちが良いという話もあり、モバイル用途には最適かもしれません。

まるで、「慣れ親しんだ、でもちょっとお値段の張る安心の道」を行くか、「新しい、お財布に優しい道だけど、少しだけ未知数な部分がある挑戦の道」を選ぶか…そんな選択を迫られている気分でした。

この「アプリ互換性」という壁が、個人的には購入を一番迷わせる理由となっています。新しい技術も試してみたい…でも、実用性も捨てられない…そんな葛藤が、今も続いています。

まとめ:新しい技術との向き合い方、そしてあなたへのメッセージ

今回は、コパイロットプラスPCという新しいパソコンについて、そのすごさ、そして私がPC選びで直面した悩みをお話ししました。

コパイロットプラスPCは、AIが私たちの日常的なパソコン作業に深く入り込むことで、これまでのPC体験を大きく変える可能性を秘めています。特に、パソコンの中でAIが動くことによる「安心感」や、「リコール」のような未来を感じさせる機能は、本当に魅力的です。

一方で、新しい技術には、まだ乗り越えるべき課題もあります。私のように、今まで使っていたアプリが新しい環境で動くかどうかの不安は、多くの人が新しいパソコンや技術に触れるときに感じる共通の悩みかもしれません。

でも、この悩みを通して、私は大切なことを学んだ気がします。それは、新しい技術は常に進化しているということ、そして、完璧なものを待つのではなく、今の自分にとって何が一番良いのかを、一つ一つ情報を集めて、メリット・デメリットを比較して考えていくことの大切さです。

私のPC選びの悩みは、もしかしたら皆さんが新しい仕事に挑戦する時、新しいスキルを学ぶ時、あるいは新しい生活を始める時に感じる不安や期待と、少し似ているかもしれません。

変化を恐れず、まずは「知る」ことから始めてみませんか?

コパイロットプラスPCのように、私たちの働き方や暮らしを便利にしてくれる技術は、これからもどんどん出てくるでしょう。全てをすぐに取り入れる必要はありません。でも、どんなものがあるのかを知っておくだけで、未来の選択肢が広がります。

そして、もし私のように「これ、どうなんだろう?」と悩んだ時は、ぜひ立ち止まって、自分にとって何が一番大切なのかを考えてみてください。そのプロセス自体が、きっとあなたを成長させてくれるはずです。

私のPC選びの旅はまだ続いていますが、この経験が、皆さんが新しい技術や変化と向き合う際の、小さなヒントになれば嬉しいです。

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