こんにちは!ホームページ制作やIT活用のお手伝いをしているITよろず屋です。
今回は、ホームページを作る上でよく耳にする「WordPressのカスタムデザイン」について、私が現場でずっと感じてきた「これってどうなの?」という疑問と、皆さんにぜひ知っておいてほしい「落とし穴」について、本音でお話ししたいと思います。
もしかしたら、これからホームページを作ろうと考えている方、あるいは今あるサイトのリニューアルを検討している方にとって、「え、そうなの!?」と目からウロコが落ちるような、そして失敗を避けるための大切なヒントになるかもしれません。
WordPressって、もはや「国民的ツール」?その人気の秘密
まず、WordPressという名前、聞いたことがありますか? もし知らなくても大丈夫!これは、専門知識がなくても比較的簡単に自分のホームページを作ったり、ブログを書いたりできる、とっても便利なシステムです。
どれくらい便利かというと、今や世界のホームページの約6割、そしてなんと日本国内に至っては驚異の8割以上がWordPressで作られていると言われるほど!(この数字、すごいですよね!)
なぜこんなに多くの人に選ばれているのか? その最大の理由は、「テーマ」と「プラグイン」という強力な味方がいるからです。
「テーマ」は、言わばサイト全体のデザインテンプレート。これを選ぶだけで、プロが作ったような洗練されたデザインがあっという間に手に入ります。そして「プラグイン」は、お問い合わせフォームやネットショップ機能、セキュリティ強化など、様々な機能を追加できる拡張ツール。
しかも、無料でも驚くほど高品質なテーマやプラグインがたくさんありますし、有料のものでも、数千円から数万円程度で、プロが何十時間もかけて作ったようなデザインや機能を気軽に手に入れられるんです。
そう、WordPressと優秀なテーマのおかげで、以前では考えられないほど簡単に、ある程度の見栄えと機能を持ったホームページが作れる時代になったんです。
だからこそ、プロとして感じていた「小さな違和感」
さて、時代はこんなにも進化しているのに、ホームページ制作の現場を見ていると、今でも「うちはフルカスタムでやります!」「お客様だけのオリジナルデザインです!」という言葉をよく耳にします。そして、それを「一番良いもの」として希望されるお客様も少なくありません。
もちろん、本当にアート作品のような、唯一無二のブランドイメージを徹底的に追求するなら、カスタムデザインは素晴らしい選択肢です。先日、あるお客様のサイトを見せていただいたのですが、それはもう息をのむほど美しく、機能的で、「ああ、これはこのお客様のためにゼロから作られたんだな」と感動するレベルでした。
でも、正直に言います。私の偽らざる本音は…
多くの、本当に多くのケースで、そこまでの「フルカスタム」は必要ないどころか、かえって後々大変なことになる可能性がある、ということです。
昔は「手作り」が当たり前だったけれど…
私がこの業界に入った頃、ホームページを作るというのは、まさに職人仕事でした。HTMLやCSSといった専門のコードを、一行一行手で書いていく。デザインも機能も、すべてゼロから作り上げる。それはそれでやりがいがあり、お客様の要望を形にする喜びも大きかった。まさに「フルカスタム」が当たり前の時代でした。
でもある時、WordPressのような便利なシステムが登場し、さらに高品質なテーマがどんどん出てきました。基本的な会社のホームページやお店のサイトなら、無料テーマでも十分なデザイン性のものが増え、有料テーマを使えば、さらに洗練されたデザインや高度な機能も手に入ります。
しかも、有料テーマと言っても、カスタムデザインを依頼する費用に比べれば、文字通り桁違いに安価です。
この技術の進化を目の当たりにして、私は思ったんです。「あれ? もしかして、もう多くの人にとって、高額な費用をかけてゼロからデザインする必要はないんじゃないか?」と。
知っておいてほしい「フルカスタム」の怖い落とし穴
私が「フルカスタム」に対して慎重な姿勢をとる最大の理由は、「作って終わり」になりがちで、その後の運用やメンテナンスで思わぬ苦労をすることが多いからです。これは、依頼する側が知らずにハマってしまう可能性のある、怖い「落とし穴」なんです。
- 品質は「作り手次第」!当たり外れのリスク
カスタムデザインの場合、サイトの内部構造やコードの質は、担当するデザイナーさんやエンジニアさんのスキルに大きく左右されます。デザインはすごく素敵なのに、後から見たら「あれ? これだと検索エンジンに評価されにくいかも…(SEOに弱い)」とか、「この作り方だと、ちょっとした修正も大変だな…」なんてことが、残念ながら起こり得ます。誰が作るかで「当たり外れ」が出てしまう可能性があるんです。 - アップデートのたびに「サイトが壊れるかも…」という恐怖
これが、私が最も声を大にして伝えたい落とし穴です。WordPressも、使っている機能(プラグイン)も、そしてサイトを動かしているサーバーのプログラム(PHPなど)も、セキュリティを守ったり、もっと便利になったりするために、定期的に「バージョンアップ」が行われます。 標準的なテーマやプラグインは、これらのアップデートに対応するように、開発元が常にメンテナンスしてくれています。でも、カスタムデザインで作られた部分は、そのサイトのためだけに作られた特別なコードです。だから、WordPressやPHPが新しくなっても、そのカスタム部分が新しい環境に対応していなければ、突然サイトが表示されなくなったり、エラーが出たりするリスクがあるんです。最悪の場合、サイトが真っ白になって表示されなくなることも…。 - 「作った人に連絡が取れない…」いざという時、誰にも頼れない絶望
もし、バージョンアップでエラーが出てしまった場合、カスタムコードを修正できるのは、基本的にそれを作った人だけです。でも、その制作会社と連絡が取れなくなってしまったり、「もう対応できません」と言われてしまったりするケースが、残念ながら少なくありません。 「作ってもらった時はすごく良かったのに、いざという時に誰にも頼めない…」 これは、単なる技術的な問題ではなく、お客様の時間、お金、そして何より「安心感」を奪ってしまう、深刻な問題だと私は感じています。
私が経験した「冷や汗」エピソード
先日、お客様のWordPressサイトのサポートをしていた時のことです。そのサイトは、以前別の制作会社さんがカスタムデザインで構築されたものでした。
お客様のサーバー環境を最新の状態にするため、サイトを動かしているPHPのバージョンを上げたところ…
サイトが真っ白になって、エラーメッセージが表示されてしまったんです!
「えっ…!?」
一瞬、血の気が引きました。原因を必死に調べた結果、判明したのは、まさにそのサイトの「カスタムデザイン」部分に使われていたコードが、新しいPHPのバージョンに対応していなかったということでした。
結局、お客様のサイトを元に戻すために、PHPのバージョンアップは断念せざるを得ませんでした。古いバージョンのPHPを使い続けるのは、セキュリティの面で不安が残ります。でも、カスタムデザイン部分を新しいPHPに対応させるには、専門家がコードをイチから見直して書き直す必要があり、それはまた新たな費用と時間がかかることになります。
さらに、このお客様が抱えていたもう一つの問題が、「実は、このサイトを作ってくれたデザイナーさんと、もう連絡が取れないんです…」という言葉でした。
そうなんです。カスタムデザインは、良くも悪くも「作った人」に強く依存します。その方が廃業してしまったり、連絡が取れなくなってしまったりすると、サイトに何か問題が起きたり、少し修正したいと思っても、どこに頼めばいいのか分からず、途方に暮れてしまうケースが、残念ながら少なくないんです。
じゃあ、どうすればいいの? 私からの提案
これらの経験から、私が強くお勧めしたいのは、特別な理由がない限り、WordPressでホームページを作る際は、信頼できる開発元が提供している「高品質な既存テーマ」を活用するということです。
- デザインの安心感: プロが設計した洗練されたデザインをベースにできるので、自分で変に触って崩してしまう心配が少ないです。見た目のバランスも整いやすいです。
- メンテナンスの安心感: 信頼できるテーマは、WordPress本体やPHPのアップデートにも継続的に対応してくれます。「アップデートしたらサイトが壊れた!」というリスクを大幅に減らせます。開発元がメンテナンスしてくれるのは、本当に心強いです。
- 圧倒的なコストパフォーマンス: カスタムデザインにかかる費用と比べれば、テーマ代は本当にわずかです。その分のお金を、サイトの中身(コンテンツ)を充実させたり、集客のための活動に使ったりできます。賢くコストを抑えられます。
もちろん、テーマを使えば何もしなくていいわけではありません。あなたのビジネスや伝えたいことが、読者にしっかり届くように、写真を選んだり、文章を考えたり、レイアウトを調整したり…といった、「魅せ方」の工夫は必要です。
もし、「デザインにはこだわりたい!でもカスタムデザインのリスクは避けたい…」という場合は、「高品質なテーマを使った上で、プロにコンテンツの構成やデザイン調整を依頼する」という方法が、最も賢明だと私は考えています。プロはテーマの機能を最大限に活かしつつ、あなたのビジネスに最適な見せ方を提案してくれます。
まとめ:あなたの「時間」と「安心」のために
もちろん、本当に特別な目的や、唯一無二のブランドイメージを追求するなら、フルカスタムという選択肢もあるでしょう。それはそれで素晴らしいことです。
でも、多くの個人事業主さんや中小企業さんにとって、ホームページは「見栄え」だけでなく、「ちゃんと機能して、お客様に情報が届き、ビジネスにつながる」ことが最も大切だと思います。そして、そのためには、「作った後も安心して使い続けられる」ことが、何よりも重要ではないでしょうか。
安易に「フルカスタム=良いもの」と思い込んで、高額な費用をかけたり、後々のリスクを抱えたりする必要はありません。
これからホームページを作ろうと考えているあなたに、そして今、サイトの運用に不安を感じているあなたに、私の経験が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
あなたの時間とお金を大切に、そして何よりも安心して、あなたのビジネスを応援してくれるホームページを育てていきましょう!
もし、ホームページ制作やリニューアルについて悩んでいることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。あなたの状況に合わせて、最適な方法を一緒に考えさせていただきます。


